母方の祖父が亡くなった。
88歳だった。
今日は大安。空には雲ひとつない。
こんな日に逝くなんて、晴れ男で豪傑な祖父らしい。
昔の人にしては背が高くてがっしりした体型をしている人だった。
九州の田舎から学問で身を立てた自負と誇りをもっている人だった。
明るく陽気でくだらない冗談ばかり言って、でも誰のことも傷つけなかった。
だから、みんな、祖父のことが好きだった。
じいちゃん。
その大きな背中が好きだった。
じいちゃんみたいな大人になりたかった。
じいちゃんの自慢の孫で在りたかった。
教師になった時、1番喜んでくれたじいちゃんに、立派な一線級の教師としての姿を見せたかった。
彼氏のひとりやふたり、ひ孫のひとりやふたり、見せれたら良かった。
ごめんね、じいちゃん。