物心がついた時にはもうすでに、「自分以外の誰か」になりたかったし、「ここではないどこか」へ行きたかった。 小学校3年生の時、初めていじめにあった。 同じクラスの男子数人からだった。 一挙手一投足をあげつらわれて、笑われた。 死にたい、と毎日思っ…
それっておかしいよね、って思うことがたくさんある職場だ。 今日もまた、背負いきれない重荷に耐えきれず、あの先生は休んだ。 今日もまた、初任者の先生が夜の22時過ぎまで学校に残っている。 そして、今日もまた、私は何も言えずに自分の仕事だけして帰路…
帰り間際に電話がかかってきた。 全てが一気にどうでも良くなった。 家に帰って、缶チューハイを2本空けた勢いでこれを書いている。 顧問をしている部活の1年生・Aの保護者からだった。 曰く、「娘がすごく落ち込んで帰ってきて、『先生からの信頼を失った』…
正直言って、キツい。 めちゃくちゃキツい。 新しい学校に赴任して、3週間目。 あれ、中学校ってこんなだったっけな? 困惑し、精神はすり減っていく一方で。 小学校の3年間で、牙を抜かれたとは思わないんだけど。 どうにも今の学校は苦手だ。 刺々しい職員…
教師になって、4年の年月が過ぎた。 私はわりと上司に恵まれてきた方だと思う。 前任校の校長先生、教頭先生、初任者指導の先生、学年主任。 そして、現任校で2年前、一緒に学年をもったS先生。 この5人に出会わなければ、とっくの昔に教師なんて辞めていて…
母方の祖父が亡くなった。 88歳だった。 今日は大安。空には雲ひとつない。 こんな日に逝くなんて、晴れ男で豪傑な祖父らしい。 昔の人にしては背が高くてがっしりした体型をしている人だった。 九州の田舎から学問で身を立てた自負と誇りをもっている人だっ…
精神を病むぐらい必死になろうと、適当に手を抜いて働こうと、どちらにせよ人生は途切れずに続いていく。 真剣に向き合って、恨まれることもある。 よかれと思ったことで、取り返しのつかない事態に追い込まれることもある。 優しさや誠実さのつもりが、上滑…
いやなことがあった。 クラスの子どもはかわいい。でも、それ以上に、自分の不甲斐なさに腹が立つ。 今の職員室の雰囲気は悪くない。でも、それだけに、自分の実力不足に打ちのめされる。 いやなことがあった。 どうしようにもなく、自分のせいでしかなかっ…
小さい失敗が重なった/職員室の目が怖い/焦りは子どもに伝わる/子どもはどこまでも健気だ/申し訳ない/失われる余裕/呼吸が浅くなる/久方ぶりの絶望を噛み締めた/懐かしい希死念慮/こんな仕事、辞めてやる/帰れない定時退勤日/小3からずっと同じ悩…
9月1日。 この日に身構えてしまうのは、最早職業病と言ってもいいかもしれない。 静かさばかりが耳をつく教室でひとり、新学期の準備をしている。 7月の終わり。 「よく頑張ったね」「夏休みも元気でね」 ーありふれた言葉とともに、通知表を手渡した。心か…
面倒臭がりの自覚はある。 それでも、自分で選んだ仕事だ。 それなりのプライドがある。 子どものためになることをしたいという気持ちに、嘘はない。 それを覚悟と呼びたい。
最近、とある先生の背中ばかりを思い出している。 その先生は私の初任者指導担当で、出来の悪い私を叱るでもなく、ただ見守ってくれていた。褒められることなんてめったになかったけど、その代わりにいい仕事をした時には缶コーヒーを奢ってくれた。数学と煙…
上手くいかない。どうにもならない。もうこれ以上は。 言い訳のように心の中で呟いて、それでも毎日出勤している。 飲み込んだ言葉がある。 自分のために、子どものために、何かのために飲み込んで、言わなかった言葉がある。 腹の中がぐちゃぐちゃでも、笑…
「のっぴきならねえなぁ」 思わず口をついて出た言葉に、クラスの子供たちが反応した。 「のっぴき?」 「のっぴきって何?」 「え、何?ろっぴき?6匹?」 「6匹じゃないよ、『のっぴき』……どうにもならない、みたいな意味かなぁ」 へえ、と子供たちが笑っ…
ーーウェルテル効果は、高校の倫政の授業で習ったんだったなあ。 日曜の朝、ベッドに沈んだまま、そんなことを考えていた。 前の日の晩からつきっぱなしのテレビの画面。速報のテロップ。飲みかけのまま、ぬるくなった缶チューハイ。誰かからのLINEの通知。 …
大学4回生の冬、国語教育専攻の仲間と研究室で夜遅くまで色んなことを語り合った。 教育について、国語について、恋について、人生について、命について。 私たちは世間知らずな学生だったけど、あの時間ほど誠実に言葉を尽くしたことは、それまでにもそれか…
何か月も、ブログもツイッターも触れない状態だった。6月ぐらいからずっと死にそうな感じが続いている。放課後は、口もきけないぐらいに毎日ぐったりとしていた。声を出す体力もなかった。死ぬほどだるい。本当に死んじゃうんじゃないかと何度か思った。8…
人生はそんなに甘くない。 学校が再開して、抗うつ剤が減薬になって、そして立て続けに失敗が重なった。 結局、念の為に渡されていた抗うつ剤を毎日せっせと飲んでいる。 子どものためなら、と思った。 見せしみじみた指導をする大嫌いな先生に、頭を下げた…
薬が効いている。 鬱症状は確実に改善されている。と思う。 普通の人は、こんなにも「死にたくならない」んだなあ。 失敗も、挫折も、諦念も、醜態も、誤算も、悔恨も、正常な人々は正常に受け止める。 そして、生きる糧にするらしい。 死にたくてたまらなか…
臨時休業期間が延々と延びていく。 子どもたちに、何もしてやれない。自分は何やってんだろうっていう自嘲に、いちいち傷ついて。足掻けど足掻けど現状は好転しない。 例えるなら、どデカい真っ白な壁の前、立ち竦んでるみたいな気分だ。 壁に穴を開けるのか…
環境適応能力が低いので、学生時代から四月は苦痛でたまらなかった。 今年は、異動にならなかった。今の勤務校でどうにか踏ん張って働いていく。 四月がやって来る。 新しい環境、新しい同僚、新しい生徒。 それに付随する様々な変化。 考えるだけで、今から…
昨日が卒業式、今日は6年生以外の登校日だった。 登校日と言っても、時間をずらして個人で登校し、通知表をもらって帰る。 ただそれだけだった。 久しぶりに自分のクラスの子どもたちの姿を見た。 かわいかった。 どうしようにもなく。 時間が許す限り、色ん…
初任で勤めた中学校の校長先生はめったに校長室にいない人だった。 県の教育研究会の偉い人だったので物理的に出張でいないことも多かったのだけれど、とにかく在校中も校長室に引っ込むことがなかった。職員室に居る教職員をつかまえては話し掛け、話しまく…
子どもの頃、大人になったら、もっとなんでもちゃんとできるようになるんだと思っていた。 大人になったら、悲しみや苦しみと無縁で生きていられるようになるんだと思っていた。 二十代も半ばになって、私の両手には何もないし、抱える悲しみや苦しみの本質…
人と話すのが苦手だ。 自己開示が苦手で、どうにもうまく人と付き合えない。 他人を求めることにも、他人に求められることにも疲れてしまう。 傷つけないように立ち回り、傷つかないように逃げ回る。 私の人生、そんな感じだ。 話は変わるが、このブログのタ…
昨日は怒涛のように一日が過ぎていった。 やるべきことがあって、やらせたいこともあって、やってあげたいこともあって。 優先順位をつけながら、なんとか終わらせたけれど、これでよかったのかどうかは分からない。 こんな終わり方で、よかったのかな。子…
高校生の時に文学にかぶれ、「煙草くさき国語教師が言うときに明日という語は最もかなし/寺山修司」の短歌と出会って、中学校の国語教師を志しました。 単純なおかつ不純な動機だったけど、教員不人気のこのご時世、ありがたいことに地元の教員採用試験に合…
昨日の夕方、突然の政府の方針発表。 どうなることやらと21時まで学校待機していたが、結局県教委からの連絡はなく。 今朝になっても教員も状況は不明なまま、子供たちにもそう説明するしかない。 昼になってようやく県教委から連絡。それから校長からの校内…
くだらないことで傷ついている。 笑っちゃうほどどうしようもないことでへこたれている。 分かっているけど、薬も飲んではみるけど、傷つくもんは傷つくし、へこたれるもんはへこたれる。 生徒は教師を選べない。それと等しく、教師は生徒を選べない。 そし…
うちのクラスの給食のおかずを運搬中に当番がこぼしてしまった。 それを見て、私は暗澹たる気分になった。 まず、職員室に行って教頭・教務に報告。 こぼれたおかずを片付け、手伝ってもらった先生たちに謝罪。 教務に全校放送で余ったおかずを分けてもらえる…