今はまだ、

教員5年目/Twitter(https://mobile.twitter.com/ikedamis0n0)

のっぴきならねえ

「のっぴきならねえなぁ」

 

思わず口をついて出た言葉に、クラスの子供たちが反応した。

 

「のっぴき?」

「のっぴきって何?」

「え、何?ろっぴき?6匹?」

 

「6匹じゃないよ、『のっぴき』……どうにもならない、みたいな意味かなぁ」

 

へえ、と子供たちが笑った。

言葉の響きに意識を取られて、意味の方はどうやら聞き逃してくれたみたいだった。

 

のっぴきならない。

追い詰められている。

ここが限界だと思う。

絶望的な朝を何度迎えればいいんだろう。

周囲の視線に耐えられない。

 

それでも、運動会までは。

取りあえず、運動会までは。

のっぴきならんくても、歩いていかなければ。